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鎖骨強化その2

御殿下スタッフの松千代です。

先日背中のトレーニングを行なったのですが、ワンハンドダンベルベントオーバーローイングを右手で90kgで行っている時にちょうど右の鎖骨の辺りに軽い痛みを感じました。 その後もケーブルローイング等を行なったのですが、後背筋を目一杯ストレッチさせる為に肩甲骨を外転させたときに痛みを感じるようになってしまいました。
これはつまりその姿勢で負荷が強烈に鎖骨にかかっているということであり、鎖骨を強化するという観点から考えるとこのような姿勢を取るエクササイズは非常に有効なのではないかと気づいたのです。
以前書いたブログ記事では、とにかく高重量のバーベルを手に持つことが鎖骨の強化には良いだろうと推測していましたが、確かに高重量のデッドリフトやシュラッグ等でも効果はあると思いますが、肩甲骨を挙上(つまり肩をすくめる動作)させたり下制させるよりももっと直接的に鎖骨の長軸方向に負荷をかけるには、肩甲骨が外転するような状態で強い負荷がかかる種目、例えばしっかりと肩甲骨の外転・内転を意識した高重量のベントオーバーローイングやワンハンドダンベルローイングの方が向いているのではと感じました。
鎖骨は肩鎖間接で肩甲骨と、胸鎖間接で胸骨と接続していますので、肩甲骨が外転していくと鎖骨がつっかえ棒のような役割をしてある程度以上いかなくなります。 そのつっかえ棒に強い負荷をかけてあげるのです。
Clavicle.gif

もちろんデッドリフトやシュラッグでもバーを下から上げる時、やラックから上げる時にやや前傾姿勢で肩甲骨外転位でバーベルを持つことによって同じような負荷をかけることができますが、より身体を前傾させ肩甲骨を外転させることができる姿勢の方が良いでしょう。
つまり、鎖骨を骨折すると鎖骨バンドなる装具で肩甲骨を内転位で固定して鎖骨に負担がかからないようにしますが、その逆で負荷をかけてやればいいのです。
ベンチプレスやベンチに仰向けになった突き出し動作では逆の内転に負荷をかけることになるので鎖骨は引っ張られることはあるかもしれませんが長軸方向に圧迫されることはありません。突き出し動作で意識的に外転させたとしてもとても強い負荷がかかるとは思えません。 もしかしたら何も持たずにおもいっきり前に両腕を突き出し上背部を丸め肩甲骨も外転させ、その姿勢を全力で保持すれば負荷がかかるかもしれませんがそれはとてもやり難いですよね。
それなら重いダンベルを持って前傾して肩と腕の力を抜いてダンベルをぶら下げる方が良いかもしれません。 健板にはたぶん良くないですけど。
自分はどちらかというと押す動作よりも引く動作の方が得意なので、ローイング動作等で自ずと高重量を使うようになり、ベントオーバーローイングでは上体がたち気味であれば200kg位まで扱えますし、ワンハンドダンベルローイングなら片手100kg位でも数回可能です。
このように長年にわたって習慣的に前傾姿勢で高重量を持つことによって鎖骨の長軸方向に強い負荷がかかりその結果人より鎖骨が太く頑丈になったのではと推測できます。 
ちなみに骨を強化するにはカルシウムの摂取、日光浴(コレステロールからビタミンDの生成)、そして負荷をかけることの3つが必要です。 
特に負荷に関しては、ウェイトトレーニングがとても有効だと言われています。
優れたウェイトリフターの腰椎の骨密度は常人の2倍以上という研究結果もありますし、自分自身、以前ある施設で踵骨を使って骨密度を測ったのですが、何度測っても測定範囲外で測定不能でした。
長期間無重力状態だった宇宙飛行士の骨密度が異常に減っているのは骨に負荷がかからないのが原因ですので如何に骨に負荷をかけるのが大切かが理解できるかと思います。

話を鎖骨に戻しますが、自分達がアスリートに指導するトレーニングには、パフォーマンスアップのために行なうトレーニングの他に怪我の予防の為に行なうトレーニングがあります。
ハムストリングの肉離れ予防に行なう、グルートハムレイズなんかもどちらかというと傷害予防のトレーニングですね。
今回の鎖骨トレーニングは正に後者のトレーニングとなります。
ラグビーやアメフト等のコンタクトスポーツ、柔道、相撲等の格闘技、そしてロードレース等のモータースポーツ等でも鎖骨骨折はとても頻繁におこる外傷です。 しかもこのために1シーズン棒に振ることもあり得ます。 それを可能な限り予防するというのはとても意味のあることではないかと思います。 
自分の知る限り、鎖骨強化に特化したトレーニングを提唱している人はまだいないと思うので、今後これで一本記事でも書いたら面白いかもしれませんね。
「松千代式鎖骨強化法」とかね。

ちなみに90kgのダンベルで少々痛めた鎖骨ですが、2日経った今でも肩甲骨の外転位をとると若干痛いです。
「過ぎたるは及ばざるが如し」ですね。

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Author:御殿下 太郎
東大の真ん中でフィットネス。 
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